2015,8,12北アルプス2日目 剱岳

北アルプス2日目。いよいよ剱岳に登ることになる。

予定の3時に起きると雨音が聞こえていた。

昨晩の嫌な予感は計らずもも的中してしまいました。

一応山小屋の外に出てみましたが、雨音が聞こえるくらいです、しっかりと降っていました。

とりあえず身支度を整えるのはあきらめ、5時位まで様子を見ることにした。


時間がたっても雨は上がる様子もない。諦めて明日登ろうかとも思ったのだが、

何グループか次々と小屋を出て行っている。小屋の人も止める様子は無い。

初めての山で良くは分からないが、とにかく一服剱までは問題ないだろうと出発を決めた。

山中で食べる予定だった尾西のα米を掻きこんで準備にかかった。


2015,8,12劔岳-1
5時半を回っています。僕達が恐らく真ん中あたりになるのではないでしょうか。
乾燥室にある靴はそれでもかなり残っていた。剱を断念した人たちもかなりいるようだった。



2015,8,12劔岳-2
意を決して作業現場へ向かうおばさん。あらら剱に向かう家の奥さんでした。



2015,8,12劔岳-3
一服剱に行くまで鎖場が2か所あります。
そしてここには登下降路に計13か所の鎖場があります。



2015,8,12劔岳-4
2番鎖場通過します。ここも特にどうこう言う場所ではないが、
なにしろこの雨だ、滑らないよう注意深く進んでいく。



一服剱までやってきましたが誰もいませんし、ここまで誰にも会いませんでした。

と云う事は小屋を出て行った人たちはまだ全員この先にいることになる。

なら僕らも行けるだろうと、この先にある前剱に向かうことにする。

何と安易なと思われるかもしれないが、ここの山は表面がざらついており(花崗岩か?)

雨に濡れていても結構スパイクが効いてくれるのだ。いわゆるリフクションが効くと云うやつだ。

九州の人は大崩山を創造すれが良いかと思う。


一服剱を過ぎるとルートは一気に下がっていった。

あんまり下がっていくので奥さんにスマホでルート確認をしてもらう。

大丈夫だ間違ってはいなかった。

鞍部まで降りてきました。どうやらここが武蔵のコルのようだ。

辺りはたくさんのトリカブトの紫でいっぱいだった。

ガスッていて視界が利かないのでより鮮やかに見えました。


ここから次第にガレ場の急登となる。

高所の為過呼吸気味になりながら登っていくと

前方に大きな岩が見えてきました。


2015,8,12劔岳-5
前剱大岩です。TVで何度も見ているのでこれはすぐにに分かりました。
ホントすぐにも落ちてきそうです。足下も悪く途中3点確保しながら登って行った。



大岩を過ぎて稜線に出る前の急登で3人の下山者とすれ違った。

もう下山してきたのかと尋ねると、前剱まで行ったものの

このコンディションでは登頂は無理と判断したと云う。

すれ違いざま若い女性ハイカーが云った「もう怖すぎてとても無理でした…(-_-;)」 




2015,8,12劔岳-6
すれ違った所から少し行くと稜線に出ました。
そこから少し進むとこの4番の鎖場があります。



2015,8,12劔岳-7
何とか前剱までやって来ることができました。
山頂には大分の竹田高校の生徒さん達がザックを下し休憩をとっていた。
10数名いたと思ったが、引率する先生も大変だなー。
結局このグループもここで3人が下山するようだった。
僕らはここでは休憩は取らずこの先にある核心部へと向かった。



2015,8,12劔岳-8
雨中のチングルマ。水をしたたえて綺麗でした。



2015,8,12劔岳-9
この注意書きの先に4mの鉄のブリッジがあり、左には東大谷をトラバースする
ここからは見えないが下山道があります。つまりブリッジは上りのみ使うことになります。



2015,8,12劔岳-10
はいこれがそのブリッジです。風が弱くそれほど危険は感じませんでしたが、
左右とも切れ落ちています。ここも慎重に…



2015,8,12劔岳-11
濡れた鉄のブリッジはやはり怖い。



2015,8,12劔岳-12
このときの奥さんが見ている景色。



2015,8,12劔岳-13
ブリッジを通過すると、クサリを伝い上がっていく。



2015,8,12劔岳-14
ここにも綺麗なチングルマが



2015,8,12劔岳-15
この岩を巻き再び降りて行くと前剱の門と云う所に降り立った。
左を見ると下山の13番鎖場があった。




2015,8,12劔岳-16
前剱の門を下りる奥さん。



2015,8,12劔岳-17
ここからが剱の核心部になって来る。
平蔵の頭(ズコ)と呼ばれるスラブのこの7番鎖だが、晴れていても滑り落ちそうな感じだ。
ましてや今日は雨ボルトのステップが恨めしい。



2015,8,12劔岳-18
平蔵の頭を登る奥さん。



2015,8,12劔岳-19
同じく平蔵の頭を下る奥さん。1枚岩で高度感は抜群だ。



2015,8,12劔岳-20
平蔵の頭から平蔵谷(タン)側を鎖で伝いトラバースしながら下りて行くと、
平蔵のコルと云う所に降り立つ。



2015,8,12劔岳-21
平蔵のコルを過ぎるとガスの中にうっすらと鎖場を表すプレートが見えてきた。
間違いない。あそこが50mの垂直の岩場カニのたてばいだろう。



2015,8,12劔岳-22
剱岳上りの最難関カニのたてばいにいよいよ入る。



しかし、まずいことにここにきて雨脚が強くなってきてしまった。

今まで小降りで押さえていてくれたのに、ここにきて本降りはないだろう。

と、愚痴を云っても始まらない。さらに慎重に登っていった。




2015,8,12劔岳-23
カニのたてばいはこんな状態でした。
赤い四角の部分を拡大したのが下の画像です。



2015,8,12劔岳-24
今まで岩肌を伝っていた水が、大量の雨で岩肌から飛び出して来ています。
カッパの袖口から水が入ってきたので慌ててマジックテープを締めあげた。



2015,8,12劔岳-25
奥さんも懸命によじ登ってきます。ゆっくり、慎重にと声を掛ける。



2015,8,12劔岳-26
あともう少し、上のバンドまで登り切ればあとは何とかなる。
自分が登るより見ている方がずっと辛い。頑張れ奥さん。



2015,8,12劔岳-27
やりました。ここまでくればもう安心です。後方にさっきの
バンドがうっすら見えています。
たてばいはどうだったかと奥さんに聞いてみたら。
「あんまり怖くなかった(*^_^*)」なんだそうだ。



2015,8,12劔岳-28
たてばいを登り来たところで左に登山者が見えた。
カニのよこばいを下っているのだ。見ているだけでケツがずんずんしてきます。
下調べによるとここが一番の難所のようだが、
とりあえず僕たちは山頂に立たなければならない。



2015,8,12劔岳-29
一瞬ガスが飛んで少し先まで見渡せました。



2015,8,12劔岳-30
ほっとする瞬間です。あ~生きてて良かった(^。^)



2015,8,12劔岳-31
そんなこんなで、ヘロヘロになりながらも剱岳の山頂に立つことができました。
惜しむらくは眺望が全くありません。でも登れただけでも良しとしましょう。



山頂には、早月尾根を登ってきたご夫婦をいれて7~8人ほどだった。

行動食を少しばかり口にし、さっさと下山することにした。

視界がさっきより悪くなってきている。』長居は無用と考えた。



2015,8,12劔岳-32
上りの時には気付かなかった早月尾根の分岐が、
十字架のようにうっすら見える。このコースも楽しそうだ。



2015,8,12劔岳-33
前剱でかわした竹田高校の学生諸子にここで会った。
皆元気そうに挨拶していく。山頂はもうすぐそこだよ。



2015,8,12劔岳-34
さて本日のメイン。カニのよこばいに取り付きます。



2015,8,12劔岳-35
ここで最大の問題は、最初の一歩をどこにどう置くかと云うかとです。
いろいろ奥さんがネットで調べて大体の要領は分かっていたのですが、
TVの『絶景探訪』と云う番組の録画を見てばっちり分かりました。


以下説明しますと、

僕が立っている足下にある矢印の先の、赤い丸のスプレーに

谷を背にして右の足を最初に乗せます。

次に左足を隣の赤丸に乗せます。もちろん鎖はしっかりと握っておきます。

あとは本当にカニのよこばいです。

左右の足を交差することなくスライドさせていけば割とあっさり通過できます。


写真に写っている大阪から来たお姉さんにこの通り教えてあげると、

「ホンマ!思ったより楽に行けました」とスムーズに行かはりましたわ。



2015,8,12劔岳-36
で、次は奥さんの番です。少し腰が引けているように見えますが、
慎重に足場を確認しているためこうなっています。
何しろ手元も足場も濡れていますから。



因みにTVで視たときにはスプレーはありませんでした。

もしかしてこの番組を見て誰かがやってくれたのかもしれませんね。



2015,8,12劔岳-37
この先もまだまだ危ないところが連続します。



2015,8,12劔岳-38
大阪の親子がステンレス梯子に差し掛かりました。



2015,8,12劔岳-39
15m位あるでしょうか?濡れたステンレスは滑りやすく、怖いことこの上ないですが
幸い持つ所がL字形になっていて握力を掛け易い。



2015,8,12劔岳-40
奥さんも降りてきました。



2015,8,12劔岳-41
意外に大変だったのがここ。浸食により縦に溝上にえぐられている所で
ルンゼと呼ぶそうだ。奥さんもこのルンゼで足場を探すのに苦労しているようです。



2015,8,12劔岳-42
ふ~トイレ跡まで降りてきました。



2015,8,12劔岳-43
まだまだ気は抜けません11番平蔵のコルです。



2015,8,12劔岳-44
岩に×が付いていますが、これは上り用のもので、
上りは右に回り込んで8番鎖をいきます。



2015,8,12劔岳-45
下りの平蔵の頭は12番の20mの鎖を登ります。



2015,8,12劔岳-46
次に東大谷側へトラバースして登って行くのですが、
足下場滑る為か大阪のおっちゃん「すべるで!ホンマ怖いで」を連発していました。



2015,8,12劔岳-47
トラバースした後はまた鎖が待っています。



2015,8,12劔岳-48
奥さんも平蔵の頭を下りてきました。



2015,8,12劔岳-49
最後の鎖場13番前剱の門です。
この反対側に最初に渡った鉄のブリッジがあります。



2015,8,12劔岳-50
前剱大岩を通過する奥さん。上りとは違うコースをとっています。
行けそうなか所が幾つもあるので、自分でルートファインディングしていきます。



2015,8,12劔岳-51
トリカブト。もうすぐ一服剱です。



2015,8,12劔岳-52
工事現場の作業を終えたおばちゃんがやってきます。
あっいや違いました剱岳を下りてきた奥さんでした。
無事に滑落することなく剣山荘に戻って来られました。
良く頑張りました。おめでとうございます。



2015,8,12劔岳-53
剣山荘に戻ると置いて行った荷物をパッキングして雷鳥沢に下ります。
今日宿泊予定の雷鳥荘へはまだまだ先が長いです。
ここから右折して剱沢を通らず、少し近道になる西側のルートを進みました。



2015,8,12劔岳-54
人慣れしているのか、それともたまたまなのか、しばらく一緒に歩いてくれました。



2015,8,12劔岳-55
思ったよりきつい道で雪渓が幾つもあり、
ずっと斜め上にトラバースしていく感じの道でした。
ガスで剱沢の道は見えませんが、そちらの方が楽だったかもしれません。



2015,8,12劔岳-56
色は白くないですが、コバイケイソウですか?違いますよね(*^_^*)



2015,8,12劔岳-57
汚物を捨てるやつがいるんだ。



2015,8,12劔岳-58
これはイワカガ?ミはてはコイワカガミ?



2015,8,12劔岳-59
ハクサンイチゲに似ている気がしますが…



2015,8,12劔岳-60
剱御前小屋に着きました。中ほどの人だかりは
日本山岳会青年部海外遠征隊の方々です。何も知らない奥さん
この後、この凄い人たちとタイマン張ってしまいます。



2015,8,12劔岳-61
ガスが大分飛んでいきました。雨の心配は今日の所はもうなさそうです。
中央に浄土沢、そのすぐ上にテン場も見えます。



2015,8,12劔岳-62
奥さんが日本山岳会とやりあったのはこの少し前で、
後ろから来るメンバーに抜かれまいとギヤを2段ほどあげてしまいます。
結果あえなく抜かれてしまいますが、後で青年部の海外遠征隊だったと教えてやると、
「な~ンだ早く教えてよ<(`^´)>」…ゆっくりいきましょうや。



2015,8,12劔岳-63
雷鳥沢のテン場も大変賑わっていました。
多いいのか少ないのか分かりませんが80張り位ありました。



2015,8,12劔岳-64
雷鳥荘に上がるこの石段が最高にきつかったです。
何度も小休止を入れて登って行きました。
きついのは奥さんは承知のようでしたが、「何で下のヒュッテじゃなくてきつい雷鳥荘なの?」と聞くと
「ご飯がとっても美味しいのよ~\(^o^)/」確かに。晩御飯は山小屋のレベルをはるかに超えていた。



2015,8,12劔岳-65
長い一日が終わりました。この後は雷鳥荘でゆっくりとします。
ご飯も楽しみでしたが、何といってもここには温泉があります。
受付した後、ぐっしょり濡れた衣類を乾燥室に入れ部屋に向かいました。



相部屋なのはわかっていましたが、ノックをし恐る恐るドアを開けると

20代の若い女性が一人でいました。わぁお~るあっき~\(^o^)/と喜んでいると

何だか様子がおかしい。彼女は台湾からの旅行者だった。

男女4人連れで来ていて、相部屋とは知らされていなかったようだった。

大急ぎで荷物を片づけて僕達の為にスペースを空けてくれたが、こっちもいささか居心地が悪い。

何より困ったのが日本語がほとんど話せないと云うことだった。

そうこうしていると、あとの3人が部屋に戻ってきた。

当然のことながら急に現れた日本の小汚いおっさんと、

ちょっと小汚いおばさんに皆さん相当困惑している様子。

そりゃびっくりしますよね。僕たちはお邪魔虫以外の何物でもありませんから。

そこで奥さんが機転を利かせ、フロントに別部屋は無いかと掛け合ったら、

また相部屋になるが移動できると云うのでそっちに移ることにした。

部屋を出て行く際、先の『おじちゃんと一緒の冒険クラブ』夏キャンプで作ったバード・コールを

持ってきていたことを思い出した。見せながら「何だかわかるか?」と聞くと4人とも分からないと云う。

やったー、よし来たとばかり「びーくわいえっと、るっくあっと でぃすわん」なんかわけのわからんことを云いながら

バード・コールを鳴らし始めると皆一様にびっくりしていた。

「ぷれぜんと ふぉーゆう」とバード・コールをさっきの女の子に渡すと、トラさん張りにカッコよく出て行った。

その後食堂で晩御飯を食べていると、さっきの台湾の女の子が僕の所にやって来て

手渡してくれたのがこれだ。


2015,8,12劔岳-66
何となく分かる気もするが、なんて書いているのかは分からない。
「さんきゅう」なんか言って若い娘の手をしっかり握りしめた(^^)v


さて明日はいよいよ最終日。

奥大日岳~大日岳~称名滝と9~10時間の道のりを歩く予定だが、

夜なかにトイレに立ち窓を開けてみたら、本降りの雨が激しく地面をたたいていた。

さんきゅう所ではない全くの のうさんきゅうだ。

しかし考えてもしょうがない。焼酎をもう一杯あをって布団にもぐりこんだ。
スポンサーサイト
[ 2015/08/18 02:53 ] 北アルプス | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://reoen.blog.fc2.com/tb.php/267-46ea13db